親の介護、どうする?介護施設を考えるタイミングとは?自宅介護と施設利用のメリット・デメリットと注意点

親の介護が必要になり、施設利用を考えるタイミングはいつ?

親が高齢になるにつれて、介護の必要性を感じる場面が増えてきます。しかし、具体的にどのタイミングで介護施設を考え始めるべきなのでしょうか?
介護が必要になるタイミングは人それぞれですが、一般的には以下のような兆候が見られたときに検討を始めると良いでしょう。

・日常生活の自立が困難になってきた=食事や入浴、排泄などに支援が必要
・家族の介護負担が大きくなってきた=仕事や家庭との両立が難しい
・認知症の症状が進行してきた=徘徊や物忘れが深刻化
・病気やケガが増えた=転倒や骨折などのリスクが高まる

これらの兆候が見られた場合、介護施設を検討することも選択肢のひとつです。
では、自宅での介護サービス利用と介護施設での生活ではどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
それぞれの注意点とともに解説します。

自宅介護のメリット・デメリット

介護は必要だけれども、まだ自宅で面倒をみることができそうな場合はご自宅で介護するという選択肢があります。環境を変えて暮らすことは人によっては大きな負担となることもあります。介護認定にもよりますが、自宅で利用できる介護保険サービスは限定的になってしまうこともある為、介護施設での生活とどちらがお互いにとってより良い選択なのか、メリット・デメリットを参考によく話し合って下さい。

自宅介護のメリット

1.住み慣れた環境で過ごせる
  環境の変化が少なく、精神的な負担が少ない。
2.本人のペースで生活できる
  介護保険サービスを利用の場合にも本人に合わせたサービスを選択できる。
3.費用を抑えられる傾向にある
  介護施設費用よりも安く済むことが多い

自宅介護のデメリット

1.家族の負担が大きい
  介護に時間を取られ、仕事や家事との両立が難しくなる場合がある。
2.受けられるサービスの時間が限定的
  身体状況によっては介護保険サービスだけでは賄えない場合がある。
3.介護者の精神的・肉体的な負担
  介護疲れやストレスが蓄積しやすい。

施設介護のメリット・デメリット

介護施設を利用する選択をすることも選択肢のひとつです。介護によってご家族に負担がかかることは望ましいことではありません。ご家族としても介護施設を選択されることは心苦しいかもしれませんが、お互いにとってより良い選択になるように、介護施設を利用した際のメリットとデメリットを紹介します。

施設介護のメリット

1.専門的なケアが受けられる
  介護・看護スタッフによる適切なサポートを受けられる。
2.家族の負担を軽減できる
  24時間体制でのサポートがあり、家族の介護負担が軽くなる。
3.安全な環境が整っている
  事故のリスクが減り、適切な設備が整っている。

施設介護のデメリット

1.費用がかかる
  施設の種類によっては高額な費用が必要になる。
2.本人が環境に適応しづらい場合がある
  住み慣れた自宅を離れることで、不安やストレスを感じることがある。
3.集団生活となる
  介護施設の生活ペースに合わせる必要がある。

施設介護を選ぶ際のポイント

介護施設と一口に言っても、様々な種類があります。
提供されるサービスや価格、そして施設ごとに雰囲気は大きく異なります。
まずはこれらのポイントを確認し、親にとって最適な施設を選びましょう。

施設の種類を把握する

・特別養護老人ホーム(特養):公的施設で費用が比較的安いが、入居待ちが長い。
・介護付き有料老人ホーム:民間施設で手厚いケアを受けられるが、費用が高め。
・サービス付き高齢者向け住宅:比較的自立した生活が可能な高齢者向け。
くわしくはこちらの記事もご覧ください。
介護施設を選ぶときに知っておきたい10のポイント|オハナクラブ>>

費用を確認する

施設の初期費用、月額費用、その他の追加料金を確認します。
施設の種類によってかかる費用が変わります。また、費用によって受けられるサービスも異なりますので、受けたいサービスや施設の内容と、金額をよく検討してください。

施設の雰囲気やスタッフの対応を見る

実際に見学し、スタッフの対応や設備の充実度をチェックします。
施設には実際に行ってみないとわからないことがたくさんあります。
雰囲気や空気感といった、資料や話では伝わってこない部分をよく見ることをおすすめします。

【見学時のチェックポイント】
・清潔感はあるか
・スタッフの対応は丁寧か
・他の入居者の様子は落ち着いているか
・食事の提供内容は適切か

立地を考慮する

家族が面会しやすい場所かどうかも重要なポイントです。足を運びづらい場所であるならば家族の足が遠のいてしまいます。面会できるのにも関わらず面会の回数が少なくなってしまうと、利用している家族にとっては寂しいことですし、施設職員とのコミュニケーション不足にもつながります。訪れやすい立地であるかどうか、一度実際に訪れて確かめることが大切です。

また、場所によっては騒がしさが気になる、治安が気になるなど、足の運びやすさ以外にも気になる点が出てくるかもしれません。そのようなことを総合的に判断して、介護施設を選ぶようにしてください。

親の介護をするときに利用できる介護保険制度

介護施設での生活を選んでも、自宅での介護サービス利用を選んでも、介護保険を利用しながらサービスを導入することになります。
介護保険サービスを利用する際には、介護保険制度を活用することで、精神的・体力的・金銭的な負担を減らすことができます。積極的に活用してください。

介護保険制度に必要なこと-介護認定

市区町村に申請し、要支援・要介護認定を受けることで、介護サービスの利用が可能になります。この認定は、本人の心身の状態を専門家が評価し、介護がどの程度必要かを判断する制度です。申請後、調査員による聞き取り調査や主治医の意見書の提出を経て、要支援1・2、または要介護1~5のいずれかの区分に認定されます。認定結果に応じて、利用できるサービスの内容や負担額が異なるため、適切な支援を受けるためにも、まずは申請手続きを行うことが重要です。また、認定を受けた後も、定期的な見直しが行われ、状態の変化に応じて適切な介護サービスが提供されます。

介護保険制度を活用して受けられる介護サービスの種類

自宅で介護を続けることは、ご家族様のご負担が大きくなってくる場合があります。特に介護をしている家族がフルタイムで働いている場合や、体力的に難しい場合などには、日々の介護が重荷になることがあります。そのような状況でも、介護施設への入所を考える前に、介護保険制度を活用したサービスを利用することができます。それらを活用することで、家族の負担を軽減でき、本人の生活の質向上も期待できます。介護保険制度を上手に活用することで、家族全員がより良い生活を送ることができるのです。

介護施設における介護保険利用

介護施設へ入所する際も介護保険を利用します。
但し、施設の種類によって介護保険サービスを利用する際の負担の仕方が異なるので注意が必要です。
施設の種類によっては介護度に応じた一定の金額をご負担いただくことで24時間の包括介護サービスを受けることも可能です。

さいごに

親の介護については、できるだけ早い段階から選択肢を検討し準備を進めることが大切です。
それぞれにメリット・デメリットがあり、そのご家族にあった判断を行うことが大切です。
◆自宅介護:本人が住み慣れた環境で過ごすことが出来る反面、家族の協力が必要に。
◆施設介護:専門的なケアを受けられるが、費用や環境の変化に注意が必要。
※施設を選ぶ際は、種類やサービス、費用や立地などを慎重に検討する。

介護の決断は簡単ではありませんが、親の生活の質と家族の負担を考えながら、最適な方法を選びましょう。

また、専門家の意見を取り入れることも有効です。地域の包括支援センターや介護相談窓口では、介護に関するアドバイスを受けることができます。

主な相談先
■地域包括支援センター:介護全般の相談に対応。
■ケアマネージャー:介護サービスの選定や手続きのサポート。
■福祉事務所:経済的な支援や介護保険に関する相談。

専門家の意見も参考にしながら、家族でしっかり話し合い、最適な選択をしていきましょう。

パートナー企業紹介

介護施設研究所

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【担当者よりコメント】
介護が必要になっても住み慣れた自宅で生活したい、これは誰しも同じ気持ちのはずです。
しかし在宅生活を延長できない理由は突然と来るものです。
その時に知識不足のまま検討してしまう方、周囲の噂やインターネットの情報だけを頼りに介護施設を選び後悔してしまう方々が後を絶ちません。

私ども介護施設研究所では、主に「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」を一都三県エリア中心にご紹介させていただいております。
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相談料・紹介料は一切いただいておりません。
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この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
オハナクラブ編集部
オハナクラブ編集部(オハナクラブヘンシュウブ)
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