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認知症になるリスク

健康な時には、余暇を楽しむための趣味を見つけたり、自分に合ったペースで生活をすることができたりして有意義ですが、病気にかかった時などはそばでサポートをしてくれる人がいないために危険性もあります。
例えば、認知症を発症した時などは物事の判断を適切にできなくなるため、悪質な業者に高額な商品を売りつけられたり、投資をさせられる可能性もあります。
また、その人の名義で借金をさせて現金を奪われるといったケースもありますので、財産がないからといって安心はできません。
体の健康だけでなく、精神面でもこのようなリスクは誰にでも起こりうることですので、いざという時のために生活をするための財産を保護しておく必要があります。
近年では、高齢者の生活を守るための資産運用も様々な種類が出ています。
認知症に備える資産運用
中でも、近年進歩が目覚ましいのが将来の認知症に備えることができる投資信託です。
これは、金融機関が現金の引き出しに条件を付け、認知症を発症した時に第三者に悪用されるのを防ぐタイプの商品です。
例えば、申し込みの時に三親等以内の成人家族を登録し、現金を引き出すたびに登録した家族に同意を得る必要があります。
また、定期的に一定額を本人の預金口座に振り込むタイプの資産運用もあり、これは家族の同意も必要ありませんし、一度に現金を引き出して失う危険性も低いので、身寄りが近くにいない高齢者に愛用されています。
さらに、施設へ入所するときの一時金や毎月の医療費などの必要経費に限り、施設が手続きをすることで直接振り込まれるといったタイプもあります。
金融機関によって取り扱いが異なりますので、まずは情報収集をしてみましょう。
その他の事前準備
そのため、自分がしっかりしているうちから準備をする必要があります。
上記のような投資信託もその一つですが、他にもいくつかの対策を取っておくとより安心できます。
認知症になると、その症状の度合いに応じて、自分の財産を適切に管理する後見人や保佐人などをつけることができます。
信託財産に限らず、すべての財産を後見人等が管理しますので、信頼できる人物に任せておくことでいざという時にも財産を失わずに済みます。
これは、後見人等の候補者が裁判所に申し立てることもできますが、自分自身が決めたい時には、公証役場で公正証書として候補者を指定しておくとよいでしょう。
また、エンディングノートをつけるのもおすすめです。
保有している財産の内訳、処分方法を記しておいたり、万が一の時にしておいてほしい手続きをメモしておくなど、伝言としても使えます。
家族とも話し合いを
家族を指定する必要がある手続きの場合には、事前にその人にどのような手続きを依頼したいのかを説明し、了解を取ってから登録しておくほうがよいでしょう。
時には、初めて指示されたために対応できず、後見人や投資信託の同意者などを辞退されることもあります。
元気で若いうちにこういった手続きを取ることに躊躇する人は多いですが、遺言書を作成したり、後見人を選ぶ段階に入った人の多くは、もっと早いうちに始めておけばよかったと後悔しています。
あとから内容を変更することも可能ですので、できるだけ早めに最低限の手続きを行っておいたほうが安心です。

株式会社日比谷花壇 フューネラルプロデューサー
金澤 和央 (カナザワ カズオ)
早稲田大学卒業後、2004 年日比谷花壇に入社。入社時よりライフサポート事業部にて葬儀のプロデューサーとして家族葬からお別れの会、社葬まで幅広く手懸けている。現在は首都圏エリアの葬儀施行部門の統括をしている。
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