フィリピンでのリタイア生活

なぜ定年後の生活にフィリピン?

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長い道のりを歩いて来てようやく定年が見えてきた方の中には、定年後の人生設計について、いろいろな思いを巡らせている方が多いと思います。働いている間はなかなか行けなかった海外旅行にスーツケースひとつ引き連れて出かけるのもいい、思い切って趣味に多額のお金をドンと費やしてみようか、などと夢はどんどん膨らんでいるかもしれません。一方では来たるべき老後の生活に備えて全額を貯蓄へと回したり、中にはローン返済に充てる方も多いでしょう。

新しい生活プランへの期待とともに、お金等の心配を抱えている方も少なくありません。このような期待を叶え、不安を解消する選択肢として、定年退職後にフィリピンやマレーシアといった東南アジアへ移住する方が増えています。本記事ではフィリピンでのリタイア生活について説明します。

フィリピンでの生活費はどれくらい?

貨幣のレートは毎日変動しますが、100円はおよそ40ペソという計算になります。東南アジアでの文化や生活についてはメディアでもしばしば取り上げられますが、海外移住が人気で高騰してきたとはいえ、やはり日本の物価より格段にリーズナブルだと言えるでしょう。特に食品の価格が安いとのこと。日本円に換算して例を挙げてみます。

例えばお米10kgで約450円です。日本だと100円以上しそうなトマト(大)は1個約15円ですし、缶コーラがなんと約30円。バナナは約175円です、これは房が20本付いた大物でこの価格ですので驚きの価格です。肉類や魚類も日本の価格とは比べものになりません。娯楽にしても映画は約250円、タクシー初乗りは63円です。多くの物やサービスが5分の1くらいの安さで利用できる一方で、電気代だけは日本とさほど変わりません。

それでも一家族がフィリピンで生活するのに毎月10万円あれば特に困ることはないと言えるでしょう。現地人と同じ生活をすれば日本円で約5万円くらいで生活できるという意見もありました。人件費も安いことから、およそ月15000円ほどでメイドを雇うことだってできます。

どんなビザが必要?移住のための手続きは?

フィリピンに移住するためには永住許可権を示すフィリピンビザを取得する必要があります。それもひとつだけではないので数種類の中から自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

特別永住権SRRV(常時10000USドル預金が条件)、特別投資家査証SIRB(投資継続が条件)など他にも数多ありますが、中でも特別割当移住査証QIVは自由度が高いため人気を集めています。対象となるのはフィリピンと移民協定を結んでいる日本・アメリカ・ドイツの中から年間わずか50人です。

移住手続きは日本の部屋や家財道具を片付けることから始まり、必需品は荷造りしフィリピンへ送ります。海外転出届を提出すれば日本の税金や保険料が課税されることはありません。続いて大切なことは海外送金手段を確保しておくことです。日本に口座を置いておいてフィリピンからも日本円を引き出せるようにしておけば困ることも少ないと言えるでしょう。また、車を運転される方は国際免許証を取得しておくと国外でもドライブを楽しむことができます。

フィリピン移住の注意点

フィリピン移住に関して注意しておくべきことが幾つかあります。先ずはフィリピン人のゆったりと陽気な民族性です。文化の違いは仕方のないことかもしれませんが郷に入っては郷に従うという考え方が大切かもしれません。相談したり仲介にはいってもらったりして穏やかに付き合うとよいでしょう。

噴火や台風といった自然災害にも油断してはいけません。予測できない事故や犯罪にも気を付けましょう。同じ日本人だからと安心して詐欺に遭った被害者もいると言います。気候の違いから体調を崩すことがないよう、病気に対する知識も蓄えるようにしましょう。マラリアや狂犬病が未だに報告されている地域もあります。

注意し始めるとキリがないかもしれませんが、状況に応じて早急な判断をすることが海外では身を守る非常に大きな手段となるでしょう。

また移住者の多いフィリピンですから気を遣う方がいるかもしれませんが、フィリピンで明るく健康的な生活を送る上で大切なことは自分らしく余生をノビノビと楽しむ、その一言に尽きるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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