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12月から1月に増加する窒息事故

そして、562人のうちの約9割は65歳以上の高齢者であるという集計結果から、飲み込む力や嚙む力が弱っている事の多い高齢者は、窒息事故を起こしやすい可能性が高いと言えます。
窒息事故が起こりやすい時期としては、1月が圧倒的に多く、過去5年間の搬送数の4割が1月に集中しています。
次に多いのが12月という結果から、年末年始にかけて事故が集中していることがわかります。
事故事例としては、雑煮などの正月料理を食べている際に餅をのどに詰まらせた、お汁粉を食べている最中に詰まらせたという事例があります。
軽症で済む場合もありますが、重篤な状況に陥る可能性もあるので、周囲の家族や知人が早めに異変に気が付いてあげることが重要です。
救急車の適正な利用
東京消防庁の統計によると、救急車の出動件数は年々増加傾向にあり、今後も増えていくと予想されています。
119番通報を受けると基本的に全ての通報に出動する必要があるため、出動要請が増加すると救急車の数が足りなくなる可能性も生じます。
また、通報を受けた際には最も短時間で駆けつけることができるようなシステムになっていますが、出動要請が頻発して近くの救急車が全て出払っているというケースになると、現場到着までの時間が伸びてしまうという事もあります。
増加している119番通報ですが、救急搬送した人のうち、入院を必要としないケースが50%以上を占めているという結果が出ています。
本当に緊急である人へ救急車をいち早く到着させるためにも、救急車を呼ぶかどうかの適切な判断が求められます。<
判断に迷ったら#7119
そういった時に役立つのが、「東京消防庁救急相談センター」です。
今すぐ病院に行くべきか、救急車を呼ぶべきかの判断に迷った場合は、「#7119」に電話をすると、専門知識を持つ職員が対応してくれます。
24時間年中無休で対応しているので、土日祝日や深夜でも利用することが可能です。
具体的な利用方法としては、#7119を呼び出した後、自動音声ガイダンスの案内に従って、病院を探している(1を押す)、緊急相談(2を押す)の2系統の選択を行います。
その後、専門の職員に電話が繋がりますので、適切なアドバイスに従い状況によっては救急車を要請するなどの行動を起こすことができます。
緊急性のない場合でも、医療機関への案内を行ってくれるので、症状によって適切な医療機関を選ぶことが可能です。
窒息事故を起こさないためには
事故が起こってしまった場合は先ほど書いたような行動が求められますが、窒息事故を起こさないに越したことはありません。
小さなお子様や高齢者が食事をする際は、餅は小さく切って食べやすい大きさにする、目を離さずに異変がないかどうか気にして食事をするなどの予防をしておくことが大事です。
また、万が一の場合は、救急車が到着するまでの時間にできる応急処置の方法もあります。
咳をさせる、肩甲骨と肩甲骨の間を強く4回~5回ほど叩いて異物を除去させる方法(背部叩打法)など、早めに処置をすれば軽傷で済む可能性が向上します。
年末年始に事故が頻発しているというのは先ほど紹介した通りです。
事故を未然に防ぐ対策と、万が一の対策を知っておく事が重要です。

株式会社日比谷花壇 フューネラルプロデューサー
金澤 和央 (カナザワ カズオ)
早稲田大学卒業後、2004 年日比谷花壇に入社。入社時よりライフサポート事業部にて葬儀のプロデューサーとして家族葬からお別れの会、社葬まで幅広く手懸けている。現在は首都圏エリアの葬儀施行部門の統括をしている。
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