一周忌を家族のみで終えた場合、どう報告すればいい?

葬儀だけでなく一周忌も家族だけで行うことが増えています。

一般的には、故人が亡くなってからそれほど年数がたっていない法要には、親戚や知人、友人、近隣の方などを招くことがほとんどです。地方によっていつまで家族以外の方を招くべきかは異なりますが、一周忌、もしくは三回忌あたりから徐々に人数を減らしていくケースが多く見られます。そのため、一周忌を家族のみで行うケースは全体的に大きな割合ではありませんが、家族葬が浸透してきたこともあり、徐々に一般化していると言えます。例えば、故人が生前に家族のみの供養を希望している場合や、招待予定の方が遠方や高齢になっていることも多く、迷惑をかけたくないということもあります。また、時期的に集団感染のリスクを避けたいなどのやむを得ない理由で家族のみの法要を行うこともあるため、一周忌を家族だけで行うこと自体は大きな問題ではありません。

呼ばなかった近しい親戚には事後報告が必要です。

ただし、その場合にも本来招待するはずだった相手に対して事後報告はしておいた方が良いでしょう。故人と特に縁があった方は法要についても気になるものですし、事後報告であっても、きちんと一周忌を済ませたという連絡があると安心できます。もちろん、一周忌を行う前に連絡をしても失礼には当たりませんが、あらかじめ参列を断っていた場合は御仏前を包まれる可能性が高く、かえって相手に気を遣わせたり、お返しの準備に手を取られたりすることになりかねません。

家族のみで一周忌を行った場合の事後報告は、連絡方法や連絡をする相手の範囲、タイミングなどに特に決まりはありません。ただ、事後報告という形で連絡をするのであれば、一周忌を終えてできるだけ早めに知らせておくと良いでしょう。一周忌の時期が近付いているにもかかわらず、何の連絡もない状態では、先方も法要に招かれるのか判断がつきかねますし、スケジュール管理の点でも迷惑をかけてしまいます。

一周忌の事後報告の方法について

事後報告は、親しい相手に取り急ぎ連絡をしたいのであれば電話やSNSでも構いません。ただ、普段顔を合わせることがほとんどない親族や仕事の関係者など、目上の相手に対しては基本的にハガキで報告をした方が良いでしょう。電話は先方と連絡がつきにくいこともありますし、SNSではくだけた印象を与えかねません。家族葬の時だけでなく、一周忌でも事後報告のハガキを出したほうがマナーに沿っていますし、先方も内容を確認するだけで返事を出す必要がないので負担が少なく済みます。

なお、一周忌の事後報告は、本来招待する予定だった相手、問い合わせがあった相手に送れば良いでしょう。あまり関係がない相手に事後報告をすると、御仏前を請求しているような印象を与えかねません。故人が招待してほしい人をリストアップしていない場合には喪主が範囲を決めますが、親族や故人と親交が深かった友人、知人が対象となることがほとんどです。前もって御仏前を預かっている相手に対しては、故人とのつながりに関係なくお返しの品と一緒に事後報告のハガキを添えておくと良いでしょう。

一周忌の事後報告の文例サンプル

一周忌を家族のみで行い、事後報告をする場合の文例は、家族葬とそれほど変わらない内容です。葬儀への参列やお供えへのお礼、一周忌の法要を行った旨の報告、事情により家族のみの法要にしたことの説明、招待をしなかったことや事後の報告になったことに対する謝罪、御仏前等の辞退などを記したうえで、結びの言葉につながります。以下に一例を記載していますので参考にしてください。

拝啓時下益々ご清祥のことと拝察申し上げます
先日のご葬儀の際にはご会葬ご参列賜りまた過分なるご香料お供物を賜りまして誠に有難く厚く御礼申し上げます
早いもので○○が亡くなってから一周忌を迎えるにあたり家族のみでささやかに営ませていただきました
本来であれば皆様にご臨席賜り法要を営むところではございますが昨今の事情を鑑み私ども家族の意を汲んでいただければ幸いでございます
なお御仏前につきましては故人の遺志により固くご辞退申し上げます
最後になりますが皆様のご健勝をお祈り申し上げまして書状にてお知らせいたします
敬具
令和〇年○月
喪主○○○○

文章自体は一般的によく使われている内容ですし、一周忌以外の法要に関する文例をアレンジしても大丈夫です。文例集は書籍やネットなどから探せばいろいろ見つかりますし、葬儀社に依頼して複数の文案から自分が希望するものを選んで発送してもらうこともできますので、それほど苦労することもないでしょう。

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