知っておきたい!公的年金以外の社会保障

公的年金だけで大丈夫?

知っておきたい!公的年金以外の社会保障 class=
公的年金制度は、退職後の生活を支えるための大切な社会保障制度の一つですが、公務員、会社員、自営業、船舶関係者などの職業によって、支給される金額が異なってきます。

年金をきちんと納めている人の場合、基礎年金は誰にでも支給されます。
フリーランスや自営業などはこの部分しか受け取ることができないため、老後の生活はかなり苦しいといわざるを得ません。
一方、公務員は共済、会社員は厚生年金、船員保険加入者はその期間において特例月の厚生年金がプラスして支給されることになります。
こちらは給料の支給額によって毎月納付する金額も異なりますが、半分は職場が負担します。

しかし、今後は少子化がますます進むため、自営業の人だけでなく、厚生年金等を受給する予定の人も支給時期の先送りや支給額の減額などの懸念があります。
そこで、今後は老後のためのプランを早めに立てておくとともに、年金以外の保障も調べておくことをお勧めします。

意外と重要な医療保険制度

毎月年金と合わせて収めている健康保険は、健康な人でも年を取ってからは非常に利用頻度が高くなります。
実際、老後の収支を見ても、若い頃よりは食費が減少している反面、医療費が高額になっている世帯が非常に多いです。

医療保険も職業によって制度が異なっており、会社員は健康保険、自営業者は国民健康保険に加入しています。
治療や投薬を受けるときの支払額はどちらも大きな違いがありませんが、高額医療費の返還を求めるときには、健康保険の方が内容が充実しています。
例えば、退職前に仕事中のけがが原因で働けなくなった場合、退職後も労災から保険金を受け取れます。
労災保険は会社が負担するものなので、従業員にとっては毎月の支払いなしにいざという時の保障が受けられます。

老後だけでなく、現役で仕事をしている間でも、出産手当金や傷病手当金などの給付が受けられるのは健康保険のみとなっており、内容が充実しています。

等しく保障される介護保険

介護保険制度に関しては、もともと自治体が運営する制度ですので職業によって内容が異なりはしません。

ただ、現役世代が毎月負担する保険料については、会社員は健康保険組合等が定めた保険料率に応じた保険料のうち、半分が会社、半分が自己負担となります。
一方、国民健康保険に加入する自営業者等は、自治体ごとの条例で介護保険料が決められており、当然全額が自己負担となります。
したがって、同じような収入であれば、やはり会社員のほうが負担が少ないです。

ちなみに、実際に介護保険を利用する場合には、どちらの保険に加入していても受けられる保障内容は同じです。
支払い開始時期も40歳からと共通しており、毎月の保険料に介護保険料をプラスしたものが、給与明細でいう健康保険料となります。
特にこちらからの手続きは必要なく、納付すべき年齢になったら自動的に金額を変更した通知書が届くシステムです。

国民年金者は早めに備えましょう

このように、年金や医療、介護などのすべての分野において、会社員と自営業者を比較すると前者の方が優遇されています。
さらに、会社員は雇用保険にも加入していますので、失業した時や高齢者等が安定した仕事を続けるための給付なども受けられます。

このようにみると、自営業者やフリーランスといった国民年金に分類される人は、老後の保障についても随分不安に感じることでしょう。
ただ、逆に言えば自営業者等は定年がないため、自分自身が元気で働くことができるのならば、いつまでも現役でいられます。

とはいえ、いつ何が起こるかわからないのも事実。ささやかではありますが、戻り率の高い付加年金を利用したり、国民年金基金や確定拠出年金の積み立てを始めるなど、公的年金等の保障と同時に自分でも老後の備えを始めておくことをお勧めします。
早めの準備が将来大きな差になります。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
あわせて読みたい