終活の準備、まず最初に何をすればよいか?

終活はなぜ始まったのか。終活のルーツを知る。

終活という言葉は、おそらくこの記事をご覧になっている方の多くは、聞いたことがある馴染みのある言葉ではありますが、実際この「終活」という言葉が広がったのは、2000年代になってからであり、もともとは週刊誌の特集として組まれた記事が始まりとされています。
その後、新聞雑誌等の各メディアが次々と終活に関する記事や書籍を出したことにより、次第に世間一般に言葉が広がったものと言われています。

終活の定義を大まかに説明すると、自分自身の終末期や亡くなった時に対して、前もって準備や整理をしておくこと、となりますが、こういった概念が広がったのがなぜ最近になってから広がるようになったのでしょうか。
よく言われることは、2000年代以降、人口のピークは過ぎ、日本が高齢化社会になり、少ない子供に負担をかけることができず、自分自身で終末のことを考える必要性が出てきた、ということになりますが、同時に、ライフスタイルや宗教観に変化があり、一世代前では形式が決められた葬儀を行い、入るお墓も決まっているということが一般的だったものが、選択肢が広がると同時に、自分自身で意思決定をする必要が出てきたということも一因になります。

終活の重要性は、その人が置かれた環境や、家族構成、財産などにもよって異なりますが、まったく何も決めずに万が一のことが起こった場合は、家族がどうするべきか、悩んでしまい、最悪の場合は、トラブルに発展するなどの問題が出てくる可能性もあります。
また、このコロナ禍を経た社会では、家族との付き合い方や宗教・供養の行事、お葬式の形式など、あらゆるものに変化が生じています。
今の時代、人々がどのような終末期を迎え、自分自身はどうしたいか、ということを考えていくことは、さらに重要性が増していく可能性と言えます。

終活の目的

この数年で一般的になった終活。今でも書籍や雑誌の人気コンテンツであり、セミナーなども多数開催されています。なぜ多くの人々が終活を行っているのでしょうか?
大きくわけると以下の目的があるとされています。

①あらかじめ自分の終末期や亡くなった時に家族や周囲が困らないようにするため
②より自分らしく満足がいくエンディングにするため
③自分自身のその後の人生をすっきりとした気持ちで過ごすため

また、最近の傾向としては、終活という言葉は、準備という意味だけでなく、生前整理や断捨離といった、整理や片付けといった意味合いで使われることも増えています。
ライフスタイルが多様化している今では、目的もまた多様化していると言えます。

具体的な終活の項目は?

お葬式について

終活のテーマとしては、以下の項目の内容を考えていくことになります。
どんな形式で誰を呼ぶのかを決めたり、葬儀社に事前の相談やお見積りを依頼したりします。葬儀会館の見学や葬儀社が主催するイベントなどに参加し、情報を集めるのもよいでしょう。

お墓・お寺について

お墓は決まっているのか、また決まっていない場合はどのようなお墓がよいのかなどを考え、資料を取り寄せたり、お墓見学に行ったりします。お墓は家族が関わることになりますので、今後お参りをすることになる家族とも相談してみましょう。

財産・相続・遺言について

財産を多く残されている方は、どういう形で相続させるのか考えておく必要があります。特に会社を経営されている方やお金以外に相続するものが多い方などは顧問弁護士や税理士の方などに相談するのがよいかと思います。お金に関しては、特に何も決めないことによって、遺族間のトラブルが起こることがしばしばありますので、しっかりとした準備が大切です。

自分自身の記録について

自分の記録を整理することは、自分自身の心の整理になるだけでなく、残された家族にとっても貴重な財産になります。写真や思い出の品、制作物などを整理するほか、自分史を作ったり、家系図の作成を専門業者に制作を依頼するなど、記録や記憶をかたちにするサービスを利用することもできます

これらテーマに関しては、別途記事にも多数掲載していきますので、参考にしてみてください。

どこから始めていけばよいか?

終活に関しては、多くの人が関心を持っており、書店の雑誌コーナーなどでは、終活をテーマにした雑誌や書籍がたくさん置いております。そういった本から情報を得ることができますし、葬儀社等が行っているセミナーに参加するなどもよいでしょう。

また、お勧めするのは、「エンディングノート」を作ることになります。
エンディングノートは、終活がブームになった頃に同時に知られるようになったものですが、こういった終活の内容を一冊の本にしてまとめたものを指します。
葬儀社や出版社がテーマごとに整理しやすいように、表を作ったものも多数存在していますが、特にそういったものを使わなくても、普通のノートに自分の考えを整理していく、というところから始める感じでよいかと思います。

終活とは人生の終末期を考えるという重いテーマであることには変わりありませんが、人生最後までしっかりと自分や家族のことを大切に考えて豊かに生きる、という前向きな考えに繋がっていきます。
是非この機会に終活について考え、できることをやってみましょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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