知っていますか?「訪問型介護予防事業」とは?

介護予防事業のメリット

知っていますか?「訪問型介護予防事業」とは? class=

介護予防事業の推進により起こるメリットは何なのでしょうか?

メリットは大きく分けて3つあります。

1つめは、老人介護センターが介護予防事業を実施していると周知されることで高齢者が参加しやすくなるということです。

高齢者の中には介護センターに参加しにくいという人もいます。普通の介護センターに比べて介護予防事業を推進している介護センターの方が、積極性が感じられ参加しやすくなることが考えられます。

2つめは、サービスを柔軟に組み合わせることで、利用者の状態に応じたサービスを総合的にできるということです。また、柔軟にサービスを組み合わせることで効率性もアップし多くの人により良質なサービスを受けてもらえる事になります。

3つめは、介護予防事業は高齢者が介護を必要とすることを予防することを目的としていることです。介護が必要な状態になった高齢者の方を介護し、生活を支えるのではなくそのような状態になる前に健康な状態を保つという予防策に力を入れています。

そもそも介護予防事業って?

では、そもそも介護予防事業とはなんなのでしょうか?

介護予防事業には大きく分けて二つの種類があります。65歳以上の方全員を対象にしているものとそうでないものです。そうでないものというのは、具体的に現時点では介護を必要としてはいないけれど、これから介護が必要となる可能性が高い人のことです。各市町村では高齢者の状態をこまめにチェックすることによりそのような高齢者の早期発見を目指しています。

またそのような高齢者の中で閉じこもり、うつ病や認知症の恐れがある方、心身の不安定な状態の方には看護師、保健師などが自宅に訪問し、生活機能に関する問題を把握した上で必要とされる相談やアドバイスをする訪問型介護予防事業というものがあります。

その中でもプログラムの種類は、栄養改善プログラム、口腔機能向上プログラム、認知症、うつ、閉じこもり予防・支援プログラムの三種類があります。

介護予防事業の背景・きっかけ

介護予防事業、訪問型介護予防事業はどのような背景から登場したのでしょうか。

近年では要介護者の増加やその見込みがある人が急激に増加してきています。また、これからも高齢者が増えていくと予測されておりそのような人々は増えていく一方です。そのような背景から平成18年10月から実施されています。

また、要介護者の中でも特に大幅に増加していると言われている軽度認定者に重点を置かれています。軽度認定者が生活の不安定さや生活全般の能力が衰えてしまったことにより、要介護者の人口が増えてしまっているのです。そのような方々を減らすことを目的とし、誕生したのがこの介護型予防事業なのです。

予防だけでなく、要介護者の支援をすることも目的としたこの事業。ですが、要介護者に対する配食、見守りなどを含めたサービス、総合的な生活を支えるサービスの充実ができていないことも問題視されてきていました。介護予防事業にはそのような背景もあるのです。

介護予防事業の見直し

このようにメリットが沢山ある介護予防事業ですがデメリットがあるのも事実。

介護予防事業は普及活動、PR不足もありそのもの自体がまだ知名度は低くなってしまっているということです。

そもそも、要介護者がいたとしても、本人自体にその意識が少なくカウンセリングや医師の検査など次のステップへ繋げていくことが困難になっているのが現状です。

また、自分が要介護者になり得るかどうかも考えたくもないという方もいます。また、反対に医師の情報提供を求めたくても検査代が別に発生してしまう介護予防事業に対して理解をあまり示さない医師が多いのも問題となっています。

また、介護予防のための教室に積極的に参加しない高齢者も多いです。

しかし、介護予防制度はこれから高齢者社会が進んでいく日本にとって助けとなる制度です。自治体や国に任せるだけでなく、個人個人やその家族が意識を高めることで問題解決に繋がるのです。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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