自分自身の人生を振り返って一冊の本にする。自分史について解説します。

自分史とは何か?

自分史という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
辞書によると、かなり昔にはなりますが、1970年代後半から80年年代の昭和末期にブームになったとされています。
自分自身の歴史という言葉を聞くと、日経新聞を読んでいる人であれば、「私の履歴書」をイメージする方も多いのではないかと思います。
また書店などでも、成功した経営者がその秘訣や大切にしてきた考え方などを本にして売っていますが、両者ともに仕事のことや成功した物語などが中心となっており、これは辞書的には、「自伝」「自叙伝」というものになります。

自分史とは、仕事のことというより、自分自身が育った環境や人間関係、好きなものなどを、主に家族や友人といった近い関係の人々や自分自身のために書き記すという世間一般の人が表現するものとされています。

昔はブームになったとはいえ、今は何のためにそんなことをわざわざやるの?という疑問を持つかもしれませんが、自分自身を振り返り、何かの形にして、共有するということは、実は普段からやっていることではないでしょうか?
馴染みの薄い「自分史」というものを別の角度から考えてみます。

現代の自分史?形を変えて普及していること。

インターネットが普及するようになる前は、自分自身の生活をテレビなどで世間に紹介する人は、一部の芸能人に限られていましたが、インターネットの普及およびSNSが一般的に利用されるようになってからは、特別な暮らしをしているわけでもない我々が旅行や食べたものや家族行事などを繋がりのある人とシェアをするということが当たり前になりました。

発信する人は知ってもらいたいという気持ちがあると同時に、それを受け取る人もその人のことが知りたいという気持ちがあれば、その何気ない他者の情報を受け取り、「いいね!」や「シェア」を行っています。

また、結婚式では二人の紹介ムービーを流すということが一般的になりました。小さな頃の写真や出会ったときの写真を編集し、スクリーンで参加者とシェアをするという時間は、結婚式の楽しみのイベントの一つとして確立しているといってもよいでしょう。

直近の話をシェアをする、若い時期にまとめる、という違いはあれど、こういったSNSやブログの更新や、結婚式のムービー作りといったことは、若い世代にフィットした自分史作りと言えるかもしれません。

なんとなく、自分自身の人生を書いたものを興味もって読んでくれる人がいるのか?など、ちょっと疑問がある人もいるかもしれませんが、特に若い世代は、遠くいる有名人や偉人よりも、身近な人のことを知りたい、という傾向が強くなっているのかもしれません。

自分史を作ることは、自分だけなく、周りの人々にとってもきっと価値のある行為になるのかと思います。

お別れの会に見る自分史を作る重要性

結婚式では、二人の半生を振り返るムービーは普及しましたが、人生を振り返る葬儀の場合、どうしても時間がなく慌ただしくなることや、宗教行事や火葬といった内容が中心であることから、その人の人生を振り返る場面は、会場内のメモリアルコーナー制作か喪主のあいさつくらいにとどまってしまい、思い出を共有する、ということを十分にやりきれない場合があります。
しかし、準備の期間に余裕のある「お別れの会」を行う場合、結婚式と同じかあるいはそれ以上に、思い出ムービーだけでなく、生涯の年表や、時代ごとの写真の整理や展示など、さまざまなその人の人生を振り返る要素を盛り込まれます。

参列者が期待していることは、まさにその人のことを改めて知り、思い出を振り返りながら偲ぶ、という自分史を読んでいくようなものと言って差し支えありません。

現在、葬儀とは別にお別れの会を行う人は、会社の経営者や特に交友関係が広い方が中心となっており、それなりに費用もかかるため、一般的な環境では、その人の人生そのものを振り返り共有する機会は少ないといえます。お別れの会の代わりとしても自分史を残しておく価値はあるといえるでしょう。

まとめ

自分史を書くということは、自分自身の心の整理という意味と同時に、家族や友人にも見てもらえる一冊の本にする、ということは、例えば自分が亡くなった後でも、大切な思い出を振り返ることができる財産になると考えてもよいかもしれません。

終活の一環としてもぜひ一度、『自分史』について考えてみてはいかがでしょうか?

自分自身記録として、両親への贈り物として

自分史の製作

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この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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