シニアが自分らしく暮らすための間取りのポイント

長く過ごすことが多いリビング

シニアが自分らしく暮らすための間取りのポイント class=
シニアが最も長く過ごすことが多いのはリビングです。家族と会話を楽しんだり、テレビを見たりして、最もリラックスして過ごせる空間です。
そのために、シニアが事故を起こしにくいようなリビングにすることが大切です。まずは、家具の配置に気をつけることが必要です。シニアが歩きやすいように、家具と家具の間隔を広めに確保することが大事です。中には、室内でも杖をついて歩くシニアも見受けられるためです。杖を家具にぶつけることなく、スムーズに使うことができるように、サイドボードやテーブルの間隔には注意することが求められます。
また、シニアが出入りしやすいように、ソファーの位置に配慮することが重要です。出入り口のそばにソファーを置けば、リビングに入ってすぐに座ることができます。さらに、シニアが開けやすいドアを取り付けると便利です。スムーズに開けることができるドアなら、シニアが力を入れなくても済みます。

寝室は快適な上に安全性に配慮して

シニアの寝室は、快適な上に安全性が高いことが求められます。夜間の就寝のほかに、体調不良を発症した時には寝室で休むようになるからです。南の方角に窓があれば、明るい陽射しが入りますから、気分が落ち込むことを防ぎます。
さらに、トイレに近い寝室ならば、安心して過ごすことができます。間取りを考える場合には、シニアの寝室はトイレに近くなるように配慮すれば安心です。
また、シニアの寝室はいざという場合にすぐ避難できる配置が理想的です。一階ならば、地震や火事が発生した時に短時間で逃げられるように、窓ではなくサッシの引き戸を取り付けておくことをおすすめします。引き戸を開ければ庭やテラスに出られるような間取りが最適です。
物の落下を防ぐために、ベッドの周囲には本棚や食器棚などを置くことは避けるべきです。壁に時計や絵画を飾る場合にも、ベッドから遠い位置を選択すれば安全を確保できます。

移動しやすくて歩きやすい廊下

シニアが歩きやすいように、廊下には工夫することが大事です。まず、滑りにくい床にするために、素材を慎重に選択することが求められます。つるつる滑る素材は危険ですから避けるべきです。また、壁に手すりを取り付けることによって、シニアの転倒を予防できます。シニアの負担を減らすために、手すりの位置にも配慮することが必要です。設置する前に、シニアの身長を測定してから手すりの位置を決めることが大切です。
さらに、杖をついたり、車椅子を使ったりするシニアも見受けられます。不便に感じることなくシニアが移動できるように、廊下のスペースを十分に確保すると重宝されます。あらかじめ車椅子の幅を測って、スムーズに移動できることを確かめることが重要です。
尚、廊下が暗いと事故を招きやすくなります。夜間もすぐに電気をつけられるように、手が届くところにスイッチを取り付けたり、センサー付きの照明を導入する方法がおすすめです。

浴室や洗面所は十分にスペースを確保しよう

浴室や洗面所は、シニアが使いやすいようにスペースを確保することが重要です。特に、浴室は転倒しやすい上に、浴槽に水を張っていますから危険が高い場所です。
まず、浴室の床はゴムなどの滑りにくい素材を選ぶことをおすすめします。突起がついていると、転倒を防ぐ効果が期待できます。また、手すりを設置する方法も適しています。体を洗うスペースだけではなく、浴槽のそばに手すりを取り付けることも有効です。浴槽に浸かった後に、体に負担をかけることなく出ることができます。
また、洗面所はスペースを広めにして、洗顔や歯磨きがしやすいように配慮することが大事です。車椅子を利用する場合には、方向転換するためのスペースも確保すべきです。タオルハンガーを手の届くところに設置すれば、衣服を濡らさなくて済みます。石鹸や歯ブラシも、シニアの手がすぐ届くところに置けば便利です。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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