定年退職後の「都心中古マンション」

生活スタイルが変わるので一戸建てはもう要らない

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定年退職をしたあと、その後の生活のことを考えない人はいないでしょう。しかし実際にどのようになるかはいざその立場になってみないと実感がわかないこともあります。特に定年が65歳以降になってきている時代ですので、自分たちの親の時代とはまた異なるということを理解しておきましょう。
65歳定年時代になって昔との大きな違いは、子どもがすでに独立しているケースが多いことです。子どもが独立しているので、それまで一戸建てや広いマンション住まいだったとしても、もう子どものための部屋が不要になります。2階建ての一戸建てならば2階部分はまずいりませんし、トイレも1つあれば十分でしょう。
発想を転換すれば新婚時の生活にまた戻ることになるのです。新婚時の賃貸物件は多くの人が1LDKや2LDKなどの間取りを借りていたことでしょう。2人で生活をするならばその程度のスペースが有るマンション、特に格安な中古マンションを購入することを一考してみるのも十分に有りです。

便利で格安な都心の中古マンションを狙う

ではどのような中古マンションが狙いめなのでしょうか。まずは建設から数十年が経ったような中古マンションです。それも交通の便が良い都心にあるものがおすすめです。
定年退職後は多くの場合夫婦のみの生活になるので、4DKや3LDKといった広いファミリー向けのマンションは不要になります。ファミリー向けのマンションは大抵ある程度都心から離れた場所にありますが、定年後の夫婦2人だけ住めればよいという広さのマンションは、都心にも多く存在しています。新築のものは当然値段が高くなるので、かなり値段が落ち着いた都心の中古のマンションを狙い、それを購入した後にリノベーションすることを考えましょう。
1LDKや2LDK程度のマンションならばリノベーション費用もそれほどかからないので、一部の間取りや水回り、そして壁紙などを変えるだけで手軽に新築の物件に新しく住んだような気分が味わえます。

中古マンションを選ぶ時のポイント

では定年後に購入したい中古マンションで、ここはぜひ重視したいというポイントをお伝えします。まずは駅に近く、買い物に便利な場所であることです。65歳ならまだまだ歩くのに不自由しない人も多いので、安ければ駅から離れても良いと考える人もいますが、年を取るごとにどうしても歩くのは億劫になっていきます。
スーパーなど生活を維持するのに必要なお店は徒歩数分で行ける範囲内にあると、70を過ぎても生活がしやすいです。また駅近くにあれば自分たちが出かけるのにも便利ですし、子供や親戚が訪ねてきた時にも便利です。2人で住むといっても子どもたちと縁を切るわけではなく、世話になることも増えるので家族のつながりは重視しておきましょう。
そして同年代の人間が多いマンションを選ぶことです。何かと話し相手も増えますし、一人で物事を行うことが難しくなってくるので、助け合いができて、悩みも共有できる同年代の世帯が住んでいる場所のほうが、都合が良いでしょう。

中古マンションを選ぶ時の注意点

逆にこのような中古マンションは定年後を過ごすのにふさわしくないというのはどのようなものでしょうか。
先ほど挙げた要素と対極のものになりますが、やはり駅から遠い場所は都心といっても不都合が起きやすいです。宅配サービスは増加していますが、いざ緊急事態という時は自分で買い物ができないと困るもの。商店街やスーパーから離れて買い物にもいちいち10分以上歩くような場所は避けましょう。
また購入時の注意点として物件価格以外の固定費があります。マンションにつきものの管理費や修繕費といった固定費が、毎月どれくらいかかるかもかかさずチェックしておきましょう。一見物件の価格が安いといっても管理費や修繕費は収入がなくなった後に重くのしかかってきます。何歳まで生活しても必ずかかるどころか、修繕費は上積みされることもあります。特に中古物件は高い傾向があるので、十分に考慮した上で購入する中古マンションを決定しましょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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