知っておきたい!お盆のお布施

お盆のお布施はあくまで僧侶へのお礼

お盆に渡すお布施のルール
お盆になると僧侶をお迎えしてお経をあげてもらう家庭も多いことと思います。その中には今年が初めてのお盆で、そのしきたりに関する知識が乏しくて戸惑っている方もいることでしょう。とくに困るのが僧侶へのお布施かもしれませんね。お盆のお布施、一体いくら位の金額をどのようにして渡せばいいのでしょうか。
布施の本来の意味は、仏教の六波羅蜜という修行法の一つで、他人に施しを与えるという意味です。ただ、一般的にお布施という場合は、僧侶にお経をあげてもらったり戒名を書いてもらったりしたお礼に渡す金品のことです。また、本尊へのお供えという意味も含まれています。あくまでお礼や感謝の印であって、僧侶への報酬ではありません。そのため、お経一回いくらとか戒名一本いくらといったような決まった価格もありません。ただ、そうなると一体どれ位の金額を包めばいいのか困ってしまいますよね。そんな時は、葬儀を依頼した葬儀社に聞いてみると良いですし、僧侶に直接相談すれば大よその金額を教えてくれますから、遠慮せずに尋ねてみるのも失礼ではありません。
とにかく、お布施というのはあくまで僧侶へのお礼や感謝の印ですから、あまり深く考えずにできる範囲の金額を包めば良いのです。

お盆のお布施はどうやって包めばいいの?

お布施は主に二通りの方法で包みます。一つ目は奉書紙を使った包み方です。まず半紙でお札を包みます。これを中包みと言います。その中包みを奉書紙で包みます。これを上包みと言います。奉書紙とはクワ科の落葉低木である楮を原料にした純白でしわのない和紙のことで、文房具店で購入できます。上包みの包み方は慶事の際の包み方と同じです。奉書紙で包む方法がお布施の際の最も丁寧な包み方とされています。二つ目はお札を直接白い封筒に入れる方法です。簡易な方法なので、急にお布施が必要になった際にも便利です。
お盆の場合はどちらを使っても構いませんが、奉書紙を使用する方が僧侶への印象が良くなるのは言うまでもありません。
奉書紙や封筒には水引きがかけられます。水引きというのは和紙で作られた糸のことで、慶事の場合には紅白、金銀、金赤の水引きが使われ、弔事には黒白、銀白、紺白の水引きが使われます。ただ、水引きをかけるかどうかは地域によって異なりますから、一応調べてから使用するかどうか決めるようにしてください。

奉書紙や封筒には何か書かなきゃいけないの?

お布施を包んだ奉書紙や封筒の表には、黒墨を使って「御布施」や「お布施」と書きます。弔事の際の不祝儀袋には薄墨で名前を書きますが、お布施を包む奉書紙や封筒はあくまで僧侶や本尊へのお礼なので、黒墨を使ってはっきり書くのが礼儀です。必ず書く必要はなく空白のままでも構いませんが、よほど急いでいる時以外は、これも僧侶への礼儀として書いておいた方が無難です。
奉書紙や封筒の裏面の左側には住所と氏名、右側には金額を記入します。金額の上には必ず「金」と書き、金額には1万円なら「壱萬円」、5万円なら「伍萬円」といった具合に旧字体の漢数字を用いることが望ましいとされています。
文房具店やホームセンターには表書きが印刷された封筒も売られていますが、できる限り自分で書く方が良いです。その際には下手な字でも構いませんから、できるだけはっきりと丁寧な字で書くように心掛けてください。

お盆のお布施にはやっぱり新札が必要?

不祝儀袋に新札を用いるのは禁物です。その理由は、例えばそれが香典であった場合、新札を用意して香典の準備をしていたように思われることを避けるためです。一方、お布施はお礼や感謝の印ですから、できる限り新札を用いるように心掛けましょう。準備する時間がなかった場合は旧札でも構いませんが、その際もできる限り汚れやしわのないお札を用いるようにします。
不祝儀袋にお札を入れる際にはお札の裏側(人物画ではない方)が封筒の表側になるように挿入しますが、お布施の場合は逆です。お札の表側(人物画の方)を袋の表側に向けて挿入します。また、封筒にお札を入れる際は、上下が不揃いだったりするといい加減な印象を与えかねませんから、お札の向きをきちんと揃えておくことも忘れないようにしてください。
万全を期して、一度入れた後にもう一度確かめておくことをお勧めします。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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