葬式や法事などで使う袱紗(ふくさ)の色や使い方は?

袱紗(ふくさ)ってどんなもの?

葬式や法事などで使う袱紗(ふくさ)の色や使い方は? class=
袱紗とは、贈り物やのし袋を包む袋で、絹製のものです。袱紗は「ふくさ」と読みます。
本来は風呂敷のような形状で贈り物に埃がかかったり陽が当たらないようにという意味合いで使われていたものですが、それがいつしか今のような形状になったと言われています。
袋状になっているものや一枚の布に金封を止める場所が糸で作ってあるものなどがあります。

葬式や法事などで不祝儀袋を出す時には裸のままで出すのではなく袱紗に包んで出すのが日本古来のマナーです。
そこには日本人ならではの「金品をむき出しで渡さない」「相手への言葉では言い表せない気持ち」を含んでいるため、金封を裸のままで渡したり金封の購入時についていたナイロンの袋に入れたまま渡すというのはマナー違反であるとみられます。

袱紗には様々な色があり、赤や桃色、オレンジなどの明るめの色や紫、紺、深緑、灰色などの暗めの色がありますがその色にもきちんと意味があります。

袱紗の色の意味とは?

日本では祝儀と不祝儀で金封が違ってきます。
水引の色も違えば金封の封の仕方もそれぞれ意味があり、それと同じように袱紗にもその場にあった色というものがあります。

葬式や法事などの不祝儀の場で使える袱紗の色は紫、紺、深緑、灰緑、うぐいす、グレーなどの緑や青系の暗めの色になっていますので、その場に合わせた色のものを使うようにします。
2つも持つのは管理や使い分けが大変だという場合には、男性は藍色、女性はえんじ色を持つと祝儀も不祝儀も対応することができます。
男女で分けるのも面倒だから、家族に一つあればいいという場合には、紫色のものを一つ持っておくと男女の区別なく祝儀と不祝儀どちらでも使うことができるので便利です。

急な不幸などが起こって袱紗が準備できなかったという場合にはハンカチを使っても良いとされていますが、その場合には祝儀不祝儀関係なく、デザインが派手だったりフリルが使ってあるものは避けるようにします。

袱紗の使い方とは?

袱紗は袋状のものならばそのまま金封を入れれば良いのですが、1枚の布状になっているものは包み方も重要です。
葬式や法事の場合には袱紗のやや右寄りに封筒を置き、右端、下、上という順に布を折りたたんでいき、左側を折った後に裏へ折り返すようにします。
右側の上下に小さな三角形ができていれば大丈夫です。
祝儀の場合にはすべてがこの逆になるので、マナー違反にならないように包まなければいけません。

袱紗の渡し方は、葬式など自宅以外の会場で行う場合には受付に出します。
受付前に袱紗から出した金封を、受付の人から見て名前が読めるようにして両手で出します。

法事など相手の自宅で行われるもので直接手渡すものの場合には袱紗を相手の目の前で開いてお盆や台の上に置き、直接金封を手渡すことがないようにします。
この時にも相手から名前が読めるようにして渡すのがマナーです。
お盆や台がない場合には、袱紗の上に金封を乗せ、台の代わりにして渡すようにします。

社会人として1つは持っておきたい袱紗

袱紗は祝儀、不祝儀どちらでも金封を手渡すことが当たり前になっている日本の文化では必要なもののため、社会人になって結婚式や葬式などに出席する機会が増えてくる前には一つは準備しておきたいものです。
ネット通販などでも揃えられ、そう高額なものでもありませんので急に必要になって慌てる前に揃えておくようにすると安心です。

特に年配の方の参列が多い傾向にある葬式や法事の場では、細かいことかもしれませんが袱紗の使い方ひとつで相手へ与える印象を大きく変えてしまうことにもなりかねません。
日本に住んでいる限りは一生何らかの席で袱紗を使い、そのマナーが必要になってくるものです。
時代によって多少の変化は生じてきますが、基本的なマナーは変わることはありません。

袱紗のマナーや使い方をきちんと覚えておくことで年齢を重ねてから恥をかくこともなくなります。
思い立ったタイミングで覚えておくようにしましょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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