お墓参りはどのように行う?持ち物・手順・マナー・作法を解説

お墓参りをする前に準備内容を確認しましょう。

お墓参りをする際は、必要な物の用意から始めます。お参りに使うのは、手桶・ひしゃく・ろうそく・線香・着火アイテム(ライター・マッチなど)・数珠・お供え物・お花などです。手桶やひしゃくは墓石に水をかけるとき使用します。ろうそくは線香に火をつけるため、着火アイテムはろうそくに火をつけるため必要です。数珠はお参りで拝む際に使います。お供え物やお花は墓前に供えるためのものです。また、お墓の掃除のため、バケツやぞうきんなども持参しましょう。 それではお墓参りの具体的な流れを見ていきましょう。寺院にある墓地へお墓参りをする場合は、まず先に本堂へお参りして、それからお墓という順番です。墓地ではお墓周りと墓石の掃除から始めます。掃除の前にお墓への挨拶として1度合掌し、掃除にかかりましょう。お墓の周りには枯れ葉や枯れ枝などゴミが落ちている場合があるので拾います。お墓のスペース内に雑草が生えていたら草取りなども行います。墓石の汚れはバケツに汲んだ水とぞうきんでこすって落としていきます。たわしやブラシなど固いものは墓石を傷つけてしまう可能性があるため使用を避けましょう。

お墓参りのマナー

お墓の掃除が済んだら、手桶に水を汲み、ひしゃくでかけて打ち水をします。墓前のお花とお供え物をあげてください。墓石の正面中央部分にあるくぼみは水鉢と言い、お水を供えるところです。水鉢にもひしゃくで水を入れましょう。ろうそくに火をつけ、ろうそくで線香に火をつけます。手で仰ぎながら煙がくゆる状態にして墓前に置いたら、お墓の前で数珠を使って合掌します。これでお墓参りは完了です。 それでは、お墓参りの主なマナーや作法も解説します。まず押さえておきたいことが、火の扱いについてです。例えば線香への火のつけ方。ろうそくを介して線香に火をつけるのは手間だと考える人もいるかもしれませんが、線香に直接ライターなどで火をつけるのはNGです。線香は故人やご先祖様に食事としてささげるものであり、仏様とのつながりを持つものでもある大切な供物。そのため、着火アイテムで直接火をつける行為は失礼に当たると考えられています。気持ちを込めて、ろうそくを使い点火しましょう。

また、ろうそくや線香の火は息で吹き消してはいけません。これは、俗世にいる人間の息はけがれたものであるという考えからで、仏様に息がかからないようにするためです。手で仰いで消すのがマナーです。なお、火を放置しないことも重要。例えばお墓参りで使ったろうそくの火をそのままにしておくと火災のリスクが高まります。必ず消してから帰ってください。なお、線香については燃やし切るのが正式な作法であるため、そのまま墓前に残して帰ってもマナー違反ではありません。ただし、寺院や霊園によってはお墓参りから帰る際、線香も消すことを定めている場合もあります。その場合は寺院・霊園のルールを優先しましょう。

墓前にあげたお供え物も持って帰るのがマナーです。お供え物を墓前に放置すると、カラスやのら犬・猫など動物がやってきて荒らしてしまう可能性があります。また、お供え物が墓石に付着しそのまま放置されると、墓石の変色・劣化にもつながりかねません。故人がお酒好きだったという理由で、打ち水の代わりにお酒を墓石にかける人もいますが、これも変色・劣化につながるのでやめた方が良いでしょう。お酒はお供え物として、墓前に置くなどしてください。なお、仏教で食べることを禁じられていたにおい・辛みの強い野菜や、殺生を連想させる肉・魚類はお供えしないよう注意です。その他、意識したいのは複数人でお墓参りするときのお参りの順番。故人と関係性が近い人からお参りするのがマナー。故人をあまり知らない親族などが始めにお参りをしないよう気を付けましょう。

お墓のルールに従い気持ち良い供養を

そしてとても大切なのが、寺院・霊園のルールに全て従うということです。場所によって規則や設備は異なります。例えば手桶やひしゃくをレンタルしているところもあれば、持参が必要なところもあります。お花やろうそくなどを寺院・霊園側で処分してくれる場合もあれば、そうでない場合も。また、ペットを連れてのお墓参りの可否についても場所によりけりです。お墓を管理している場所のルールを守ることは、基本中の基本マナー。ルールを破ることで、周りの人にも迷惑がかかる可能性があります。難しい決まり事はないので、墓地・霊園のルールを守りつつ、マナーや作法に則ったお墓参りをしましょう。

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