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しかし最近ではこの香典返しという習慣にも変化が起きています。中でも多くなってきているのが、香典返しの相当額を福祉団体などへの寄付といった形で社会的貢献活動に役立てるというものです。
香典返しは葬式費用ではなく、かかった経費はそのまま遺族の負担となってしまうため、それを軽減する方法の一つでもあります。
いろいろな団体が寄付を受け付けていますが、公益法人あての寄付が寄付金税控除の対象となることを踏まえることが必要です。
香典の寄付には全額寄付ではなく、一部寄付などの方法もありますので、故人の遺志を踏まえ、あとからトラブルになることのないよう、遺族の間で事前に取り決めをする必要があります。寄付を行うにあたって参列者にも理解を得るためにも、香典返しの寄付については打ち合わせを行い納得できる形で行うことが重要です。
故人が生前から寄付をしていた、また活動を支援していた団体がある場合は、そこに寄付するのが問題もなく周囲の理解を得られやすくなります。しかしそういった団体がない場合は、故人が興味を持っていた分野などにあたる団体や協会を遺族の間で探し、選ぶ必要があります。
最も多く寄付する先に挙げられるのは、全国の都道府県・市区町村の単位で組織されている社会福祉協議会です。歴史も長く、地域に密着した活動を行っているため、窓口が近いという利点もあります。
また人道支援団体として、活動実績があり、日本国内だけでなく海外での活動を行っている日本赤十字社も寄付先として多くの方が選んでいる団体です。
さらに寄付金で行えることが具体的に説明されている国境なき医師団は、国際的な医療活動を行っており、こちらも寄付先として多く選ばれています。
香典の寄付を受け付けている団体は多くあり、具体的な寄付方法には違いがありますので、窓口への確認が必要です。
礼状には、まず会葬や香典に対する感謝の気持ちと共に、故人の法要が滞りなく行われたことをご報告します。これに合わせ、いただいた香典を全額、もしくは一部を寄付した旨を団体名と共に明記します。
報告が略儀であり、後日のお知らせとなったことをお詫びする一文も入れておくと、参列者の理解を得られやすくなります。またお礼状には季節の挨拶文は不要で、句読点を入れないことがマナーとなっています。
礼状については、寄付した先の団体で作成をしてくれるところもあります。文面に不安がある場合は、寄付先の団体や葬儀担当者などにも相談し、失礼のないように作成したいものです。
文面の一例として、「つきましては誠に勝手ではございますがご芳志の一部を故人の意志により○○協会へ寄付させていただきご返礼に代えさせていただきました 何とぞご了承いただきますようお願い申し上げます」という一文を加えます。
一般の参列者の場合は香典も少額ですが、親戚などの場合は金額も大きくなりますので、あらかじめ相談をするか、個別に対応することが必要です。この場合寄付の報告と共に香典返しの物品を用意する必要が出てくることもあります。
故人が生前から寄付の意思を持っていたのであれば、そのことを説明するのが一番です。しかし遠方の親戚などの場合は難しい場合もありますので、香典を辞退させていただくなどの方法も考えておきましょう。
家族葬など身内だけの葬儀を行い、香典を辞退する旨を申し上げ、それでも香典をお持ちになった方がいた場合などは、その香典を寄付するのがスムーズな対応といえます。親族間の場合は事前に相談もなく香典を受け取るだけ受け取り、あとで寄付したということになると角が立ちます。香典に関してどのように対応するのか、寄付の場合も含め、きちんと事前に遺族で相談し取り決めをしておくことでトラブルを防ぐことができます。
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