お墓参りに持っていくための花の選び方やマナーとは?

お墓参りにもっていく花について知る

お墓参りで花を供える際、どんな色のものがよいとされているのでしょうか。故人が亡くなってから日が浅い場合や、四十九日などの忌日法要では白い花を供えるのが一般的ですが、通常のお墓参りであればどんな色の花でも問題ありません。華やかな色でカラフルに彩ることも好まれ、3色の場合は白・黄・紫、4色なら白・赤・黄・紫、5色であれば白・赤・黄・紫・ピンクという組み合わせがよく見られます。白ならユリや菊、リシアンサス、黄色ならひまわりなどがあります。赤いカーネーションやケイトウもいいでしょう。もちろん決まりがあるわけではないので、故人が生前好きだった色を取り入れるのもよいでしょう。
お墓参りでお供えする花として、最もポピュラーなのは菊です。仏花としても菊は定番で、日持ちがよく枯れた後も花びらが散らかりにくいので重宝されます。ユリやカーネーションのような華やかな花も人気があります。ユリの場合、花粉がお墓に付着してしまわないように処理をしてから備えるようにしましょう。ほかにもスターチスやリンドウといった種類の花は人気です。主役となる花の周りにスターチスを添えることでバランスがよくなりますし、リンドウの深い青紫は凛々しい印象で全体を引き締めてくれます。もちろん故人の好んだ花があればそれを選ぶのもよいでしょう。

避けるべき・注意すべき花は?

選ばないほうがいい種類の花というのもあります。匂いが強すぎる花は迷惑になりますし、トゲを持つ花は危険なため避けたほうがいいでしょう。毒のある花もおすすめできません。具体的にはバラやスイセン、ヒガンバナなどです。ユリの中でもヤマユリは香りが強く、虫を寄せ付けやすいため好まれません。縁起の悪い花として、花全体が落ちてしまうツバキやサザンカなども避ける場合があります。

お墓参りの花の選び方にマナーや決まりはあるのでしょうか。よくある疑問として、「お供えする花は造花でもいいのか?」といったことがあります。基本的には生花を供えるものではありますが、造花がタブーというわけではありません。造花は枯れることがなく美しい状態を保つことができ、虫も寄り付かないので、選ぶ人は少なくないでしょう。しかし造花は手抜きであると考え、生花にこだわる人もいます。お彼岸やお盆などの大事な日には生花を選んだほうがいいでしょう。周囲の理解を得られそうな場合のみ、造花を選ぶべきかもしれません。

お供えのマナー

花の供え方にもマナーがあります。お墓の方へ花の表を向ける「向上相(こうじょうそう)」、花を八方に向ける「向中相(こうちゅうそう)」、花の背をお墓の方へ向ける「向下相(こうげそう)」がありますが、現在一般的なのは「向下相」です。故人のためにお供えするのに背を向けるのか?と疑問に思うかもしれませんが、これは供養する側の心も清めるという意味が込められているそうです。お墓の前に花立てがある場合は、二つ用意されている花立てに対して、左右のバランスが対象になるように供えましょう。また供える本数は奇数が好ましいとされているため、左右の花瓶にそれぞれ3~7本ずつとするのがよいでしょう。正面から見た際に逆三角形のような形に見えると美しく見えます。奥の花は背丈が高く、手前は低くなるように供えると立体感が出ます。供えた花は長期間放置しないようにしましょう。枯れるとお墓の汚れにつながり、迷惑になるからです。墓地や霊園によって、供えたものはすべて持ち帰るというルールがある場合や、管理者が後から処分してくれるパターンもあるようです。きちんと事前に確認しておきましょう。花を残して帰る場合は、花が長持ちするように工夫してください。花立てが汚れている場合は綺麗にしておきましょう。茎をカットする場合、水の中に浸けた状態で行うと断面が空気に触れないので長持ちします。また、葉が水に浸かると腐りやすいので取り除いておきましょう。また、一度お墓にお供えした花は、持ち帰って仏壇に飾ってはいけません。お供え物の「使いまわし」とされ、仏様に失礼な行為とされているからです。

お彼岸やお盆などのタイミングではお墓参りをする人も増えるため、花がいっぱいになっていることもあります。こういった場合も事前に親戚等に連絡を取って確認しておいたほうがいいでしょう。場合によってはあえて花を持参しないこともあります。もし枯れている花があれば取り除いて自分の花と交換しても大丈夫です。枯れた花は適切に処分しましょう。

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