火葬場での火葬の流れ/火葬場でのマナー

火葬場の告別室、炉前室でやることは宗派により異なる

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お通夜や告別式の流れは何となく知っていても、火葬場での流れをご存知の方はあまり多くありません。近年では火葬式と呼ばれる、炉前室や告別室のでお別れや花入れを執り行う人が増えています。
一般的な仏教では、ご遺体が炉に入る前にお焼香をします。お寺の方がお経を唱える間喪主や親族からお焼香を開始し、お焼香とお経が終わるとご遺体は荼毘に付されることになります。荼毘というのは、お体を焼くことを意味します。
神式(神社の方がきてくださる)の場合、お焼香はありません。しかし火葬場によっては行うこともあります。
キリスト教では、お別れの前に歌を歌うこともあります。並ぶ際は、お柩が通る道はあけておいてください。
火葬場は公共施設です。たいてい葬儀会社の方が、火葬場には同行します。困ったことがあったらまずは葬儀会社の人に聞いてください。斎場の方は、たくさんのご遺体やお骨、そして法的な手続きなどもこなしています。はっきりいってしまうと、斎場の方は分刻みで動いていてとても忙しいのです。葬儀会社の人が同行するのは、斎場のスタッフだけではすべてのご家族の方のサポートが難しいからです。

実は厳しい骨上げのマナー

ご遺体が荼毘に付されお骨になると、拾骨を行います。骨上げともいいます。まず、喪主の方が持っている炉の鍵を火葬場のスタッフが預かります。このときに、埋葬許可証の説明があります。埋葬許可証の説明のタイミングは、火葬場によって異なることがあります。
炉の鍵を受け取った斎場の方が炉をあけて、お骨を拾骨室へとお連れします。
骨上げの作法は宗派や地域によってさまざまなので、葬儀前に葬儀会社の人に聞くか、お寺の方などの司式者に確認しておきましょう。二人で一つの骨をお箸で持つ場合や、ひとりひとつ骨を箸で持ち骨壷に入れる際に、他の人に箸を渡すなどがあります。共通して言えることは、食事ではやってはいけないこと、ひとつのものを二つの箸で持つ、ということが共通点と言えるでしょう。骨上げの際の並ぶ位置は、喪主は頭の部分に、そして周りを取り囲むように、その他の方が並びます。
埋葬許可証は、骨壷をいれる箱の中に入れることが多いです。
また骨上げは小さいお子様が怖がることがあるので、ご一緒されるかどうかは前もって決めておくといいです。

遺影写真はどうするのか?

遺影写真は、出棺時に持っていた人が骨上げのあとも持つのが一般的です。また、遺影写真を持つ人は火葬場へ行く際、バスでの移動のときなどは運転席の後ろに乗ります。もし、霊柩車に乗れる場合は、そちらに乗りましょう。位牌は喪主の方が持ちます。
火葬場についたら、お柩の後ろにつづいて、司式者、喪主、遺影写真を持つ方、と続きます。この並びは出棺のときと同じなので、お写真は喪主の次に血縁の深い方や仲の良かった方などが持ちます。その時の葬儀社の方もしくは火葬場の誘導に従ってください。
荼毘に入る最後のお別れのとき、前机に遺影写真を一度飾り、その前に焼香炉が置かれ、そこでお焼香をします。その後、荼毘に付されている間、炉の前には位牌とお写真が飾られます。写真の持ち方に決まりはありませんが、お顔が正面を向くように持ちます。
また、何かしらの飾りがついていた場合、四十九日を目安にはずし、塩で清めてから処分するとよいです。遺影写真は葬儀の後も長く使うものです。家族写真などの楽しい出来事の写真を選ぶと、素敵なお写真になるでしょう。運転免許証も使えますが無表情ですから、出来れば笑顔の写真でつくるとよいですね。

位牌が二つあるのはどうするの?

葬儀のとき、主に仏教では位牌が二つ出来上がることがあります。葬儀のときに使う白木のものと黒塗りのものです。黒塗りは仏具店で作られ遺族に届けられます。白木は、お通夜告別式で使います。近年、時代の流れとともに、初七日の法要を告別式のときに一緒に行うことが多いです。そのため、四十九日の法要まで白木ままとなります。そして、完成した黒塗りのお位牌を四十九日の法要のときに、お経をあげてもらい、白木から黒塗りに魂が移ります。そして白木のお位牌はお寺でお炊き上げをしたもらうことになります。
また、神式やキリスト教をはじめ、世の中にはたくさんの宗教があります。自分の判断だけで動くと思わぬトラブルとなることもありますので、実際に葬儀に携わっている葬儀会社のスタッフなどに聞いてみるように心がけてください。神式では、魂をいれるものを位牌とは呼ばず霊璽(れいじ)というので覚えておきましょう。

この記事を書いた人

株式会社日比谷花壇 
フューネラルプロデューサー
金澤 和央(カナザワ カズオ)
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