イスラム教の葬儀は日本で行えるの?葬儀のやり方やイスラム教の墓地などについて解説

イスラム教の葬儀について詳しく知る

イスラム教とはサウジアラビアを発祥とした一神教の宗教です。世界三大宗教の1つで、世界に16億人以上もの信者がいます。7世紀の初めに預言者のムハンマドが創唱しました。イスラムという言葉は、神の教えに帰依するといった意味です。イスラム教徒には、1日5回程度お祈りや豚肉を食べてはいけないなどといった生活に関わるさまざまな模範があります。日本におけるイスラム教徒の数は年々増加しており、国内に約20万人いるとされています。

葬儀の方法

イスラム教の葬儀のやり方ですが、葬儀はモスクという礼拝施設で行われます。最初の日だけ合同礼拝が行われ、その後数日間続きます。男性と女性で参加方法が違うことも特徴の1つです。男性はモスクの礼拝に参加しますが、女性の場合は遺族と一緒に後ろで礼拝するか遺族の家で過ごすことになります。また、イスラム教では、最後の審判の教義により生前の肉体が失われることを禁止しています。したがってキリスト教と同様である土葬で埋葬されるのが一般的です。

そして、イスラム教では、遺体を埋葬した後に葬式が行われます。イスラム教の葬儀礼拝は、遺体が目の前になくても問題ありません。故人と気軽に会うことができない距離に住んでいる家族や友人が故人のために、葬儀を実施できることがメリットです。なお、遺体の扱い方についても特色があります。まず、遺体を洗う際は、同性の親族または専門の洗浄業者によって実施されます。基本的に異性が洗浄を行うことは許されていませんが、夫婦または子どもの遺体を親が洗浄する場合は問題ありません。遺体を洗い終わると、遺体を白い綿布で覆い、手や足、頭を縛るといったカファンが行われます。遺体を覆う布はメッカに巡礼する人もよく着用するものです。

日本でイスラム教の葬儀は可能?

イスラム教の葬儀を日本でできるのか、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。結論から言えばイスラム教の葬儀は日本で行うことが可能です。実際に日本でイスラム教徒の方が亡くなった場合、サポートしてくれる葬儀会社があるので、検討してみるとよいでしょう。例として、株式会社北大阪セレモニーでは、ご遺体の搬送や埋葬などといったイスラム教の葬儀に必要なことについて手厚い支援が受けられます。全国に10か所未満のイスラム教徒向けの墓地にも搬送してもらえるため、スムーズに葬儀を終えることができるはずです。また、東葬祭でも、ムスリムの遺体搬送のサービスを提供しています。24時間365日相談や依頼ができるので、困ったことがあったら気軽に相談してみるとよいでしょう。

なお、イスラム教の葬儀において、日本では実現ができないこともあります。それは亡くなった後にすぐに土葬を行うことです。イスラム教での埋葬方法は土葬が一般的で、教義では、死後24時間以内に土葬をすることになっています。ゆえに、ムスリムの方の場合すぐ土葬をしたいという方が多いはずです。しかし、日本では24時間以内に埋葬することは、法律上禁じられています。土葬可能なムスリム霊園も少ないので、搬送する際に時間がかかってしまうことも理由の1つです。

日本にもあるイスラム教信者のための墓地

日本に存在しているイスラム教信者のための墓地は、北海道のよいち霊園や兵庫県の神戸市立外国人墓地が挙げられます。日本では90%以上が火葬であることから、まだまだこのような墓地は多くありません。神戸市より西には存在しておらず、沖縄や九州などで亡くなった場合は、多額の遺体に関する輸送費がかかる可能性もあります。

日本にあるイスラム教の墓地の特徴は主に2つです。1つ目は全てのお墓が同じ向きを向いていることです。イスラム教では、遺体の顔を聖地メッカの方向に向けて埋葬する決まりがあるため、このような向きとなっています。イスラム教では、土葬という行為が最も重視されることから、墓石の質や形に基準がなく、墓地を華美に飾り付けないことも特徴です。しかし、日本では、和型や洋型、デザイン墓石といったさまざまな墓の形が存在しています。

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